2023.6.1 神奈川県厚木市林
郊外の集合住宅としての価値
神奈川県厚木市の閑静な住宅街に建つ、家族世帯向けの5世帯の賃貸集合住宅である。
住宅は暮らしの場としてだけでなく、仕事と生活が緩やかに混ざり合う、新しい日常としての需要が高まりつつある。賃貸集合住宅もこれまでの形式にとらわれず、新たな住環境を提供する必要がある。事業として収益性を保ちながら、機能だけに偏重せず、生活の様々な場面を想定して集合住宅であることを最大限活かした共に集まる暮らしのかたちを提案したい。
接道間口が狭く奥行きが深い敷地形状に対して、平入屋根の流れ方向を変化させ、結果的に片流れと家形をもつ5つの住戸の組合せができた。
共用廊下は2層の高さを持つおおらかな屋根下空間で、風が抜ける、外部から連続した導入スペースになっている。
住戸単位でプランに応じてボリュームをズラして配置することで、外形の凹凸が周囲の眺望や自然光を取り込み、共用部と緩やかに区切られた専有スペースを設けた。
5つのメゾネットタイプの住戸に対して、多方向からの採光や眺望・専有の外部空間を設けるため、住戸単位で建築の外形を操作している。周辺建物との視線の問題や、効率的なプラン構成から閉鎖的になりがちな賃貸集合住宅だが、住戸単位のズレを作ることで、住戸それぞれに4方位全てに対して開口を持つことができた。
隣り合う住戸同士でLDKと個室の上下を逆転することで視線の交わりを避け、開口を介して室内と外部が積極的に関係を持ちはじめ、共用部や軒下、さらに隣地の緑や空地と繋がることで、暮らしの領域が敷地境界を超えて拡張される。
特徴の少ない郊外住宅地の中で、独立した住環境と共有による繋がりを併せ持つ、限られた敷地の中でも周囲の環境を取り込みながら生活する、郊外型賃貸集合住宅である。
戸建住宅が寄り添いながら建つように配置され、緩やかに繋がりつつ、過度な干渉を避けるような、共用と専有の関係を目指した。
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神奈川県厚木市の閑静な住宅街に建つ、家族世帯向けの5世帯の賃貸集合住宅である。
住宅は暮らしの場としてだけでなく、仕事と生活が緩やかに混ざり合う、新しい日常としての需要が高まりつつある。賃貸集合住宅もこれまでの形式にとらわれず、新たな住環境を提供する必要がある。事業として収益性を保ちながら、機能だけに偏重せず、生活の様々な場面を想定して集合住宅であることを最大限活かした共に集まる暮らしのかたちを提案したい。
接道間口が狭く奥行きが深い敷地形状に対して、平入屋根の流れ方向を変化させ、結果的に片流れと家形をもつ5つの住戸の組合せができた。
共用廊下は2層の高さを持つおおらかな屋根下空間で、風が抜ける、外部から連続した導入スペースになっている。
住戸単位でプランに応じてボリュームをズラして配置することで、外形の凹凸が周囲の眺望や自然光を取り込み、共用部と緩やかに区切られた専有スペースを設けた。
5つのメゾネットタイプの住戸に対して、多方向からの採光や眺望・専有の外部空間を設けるため、住戸単位で建築の外形を操作している。周辺建物との視線の問題や、効率的なプラン構成から閉鎖的になりがちな賃貸集合住宅だが、住戸単位のズレを作ることで、住戸それぞれに4方位全てに対して開口を持つことができた。
隣り合う住戸同士でLDKと個室の上下を逆転することで視線の交わりを避け、開口を介して室内と外部が積極的に関係を持ちはじめ、共用部や軒下、さらに隣地の緑や空地と繋がることで、暮らしの領域が敷地境界を超えて拡張される。
特徴の少ない郊外住宅地の中で、独立した住環境と共有による繋がりを併せ持つ、限られた敷地の中でも周囲の環境を取り込みながら生活する、郊外型賃貸集合住宅である。
戸建住宅が寄り添いながら建つように配置され、緩やかに繋がりつつ、過度な干渉を避けるような、共用と専有の関係を目指した。
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設計・監理
株式会社川辺直哉建築設計事務所/川辺直哉、西丸健
構造設計
mono/森永信幸
用途
集合住宅
敷地面積
479.15㎡
建築面積
195.32㎡
延床面積
344.15㎡
構造
木造
規模
地上2階
工期
設計期間:2022年2月〜2022年6月
工事期間:2022年6月〜2023年5月
工事期間:2022年6月〜2023年5月
施工
水沢住宅建築株式会社/水澤資夫
植栽計画
タカ・グリーンフィールズ/深町康志
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